私は大工として40年以上、何百軒もの家の修繕やリフォームに携わってきましたが、築45年の家があと何年住めるかと聞かれれば、それは住み手がいかに家を慈しんできたか、そしてこれからいかに手を加えるか次第だと答えます。木造住宅の寿命を決めるのは、年数ではなく乾燥です。木という素材は、水に濡れず乾燥した状態さえ保てば、100年経っても強度は落ちません。逆に、築20年であっても雨漏りや結露を放置すれば、あっという間に腐ってしまいます。築45年のリフォームで私が一番に見るのは、小屋裏と床下です。ここを見れば、その家がこれまで受けてきたダメージが一目で分かります。もし幸いにも骨組みが乾いていてしっかりしているなら、その家にはあと40年住むポテンシャルが十分にあると言えます。今のリフォーム技術は本当に進んでいて、古い柱の横に新しい柱を添えて補強したり、基礎をコンクリートで増し打ちして強くしたりすることが自由にできます。だから、築45年だからといって寿命だと決めつける必要は全くありません。ただ、一つだけアドバイスするなら、目に見えるおしゃれなクロスやキッチンにお金をかける前に、まずは目に見えない土台や柱の接合部をしっかり固めることにお金を使ってほしいということです。そこがしっかりしていれば、あとの10年、20年の安心感が全く違います。最近は古い家を壊してすぐ新しいものを建てる風潮がありますが、築45年の家が使っている木材は、今の安い新築に使われているものよりよっぽど質が良いことも珍しくありません。そんな良い材料を使い捨てにするのは、職人として本当にもったいないと感じます。リフォームで適切な手入れを施せば、家は必ずそれに応えてくれます。築45年の家を自分の代で終わらせるのではなく、さらに磨きをかけて次の世代に引き継ぐ。そんな気概を持ってリフォームに臨めば、家は何十年でも生き続け、住む人を守ってくれるはずです。