家全体の断熱性能を向上させたいと考えたとき、真っ先に着手すべき場所はどこでしょうか。多くの専門家が口を揃えてアドバイスするのは、窓などの開口部への断熱のリフォームです。なぜなら、冬場に室内から逃げる熱の約6割、夏場に屋外から室内に侵入する熱の約7割が窓を経由しているからです。壁や床に高価な断熱材を入れたとしても、窓の性能が低いままであれば、そこから熱がどんどん逃げてしまい、リフォームの効果を十分に実感することはできません。窓の断熱のリフォームには主に2つの手法があります。1つは既存の窓枠の内側に新しいサッシを取り付ける「内窓設置」で、もう1つは既存の窓枠をそのままにガラス部分を交換する、あるいは枠ごと新しくする「カバー工法」です。特にお勧めしたいのは内窓の設置です。この方法は壁を壊すような大掛かりな工事が不要で、1窓あたり1時間程度で完了します。樹脂製の枠と複層ガラスを組み合わせた内窓は、熱の伝導を劇的に抑えるだけでなく、窓の間に空気の層を作ることで高い防音効果も発揮します。費用対効果が非常に高く、リビングなどの主要な部屋だけでも断熱のリフォームを行うことで、冷暖房の効率が驚くほど向上します。最近では、窓の断熱性能を高めるリフォームに対して、国や自治体から手厚い補助金が出る制度も充実しています。先進的窓リノベ事業などの制度を賢く利用すれば、工事費用の半分近くを補填できる場合もあり、実質的な負担を抑えつつ最新の住環境を手に入れることが可能です。窓のリフォームを検討する際は、ガラスの種類にも注目してください。遮熱性能の高いLow-Eガラスを選べば、夏場の強い西日を遮り、家具や床の日焼けを防ぐこともできます。断熱のリフォームは、家全体のバランスを考えて優先順位をつけることが成功の秘訣です。まずは家の中の熱の出入り口である窓を固めることで、少ないエネルギーで家中が快適になる、経済的で環境に優しい住まいへと生まれ変わらせることができます。プロの診断を仰ぎながら、自分の家の窓に最適なプランを選び、冬の寒さや夏の寝苦しさから決別するための第1歩を踏み出しましょう。
断熱のリフォームで窓の性能を優先すべき理由