今回は、年間1000枚以上の網戸を修繕している職人の佐藤さんに、網戸の張り替え方の極意についてインタビューを行いました。佐藤さんによれば、網戸の張り替えで最も多い失敗は、網の歪みではなく、実はサッシ自体の清掃不足にあると言います。佐藤さんは、網を剥がした後のサッシを、高圧洗浄機や専用の洗剤を使って新品同様に磨き上げることから始めます。溝に汚れが残っていると、ゴムが均一に収まらず、数ヶ月で網が緩んでしまう原因になるからです。網戸の張り替え方において、素人がプロに勝てないと思われがちなのが、網を張る力加減、いわゆるテンションの調整です。佐藤さんは、網を張る際に、利き手でローラーを操りながら、もう一方の手の指先で網の目を常に感じ取っているそうです。網の糸が1本でも斜めになっていれば、それは仕上がりの美しさを損なうだけでなく、耐久性にも影響します。初心者が網戸の張り替え方に挑戦する際のアドバイスを求めたところ、佐藤さんは笑顔で、まずは小さなトイレの小窓やキッチンの勝手口から練習することだと答えてくれました。大きな掃き出し窓は、網の面積が広いため重力で網が垂れやすく、難易度が一気に上がります。小さな窓でローラーの動かし方や角の処理を身体で覚えてから、大きな窓に挑戦するのが上達の近道だということです。また、佐藤さんは、カッターの使い方の重要性についても語ってくれました。多くの人が、カッターを引く時に力を入れすぎて枠を削ってしまいますが、実はカッターの自重を利用して、枠に沿わせて滑らせるだけで網はきれいに切れるのです。この時、カッターの角度を45度に保つことが、切り口を溝の中に隠すための秘訣だと言います。インタビューの最後に、佐藤さんは網戸の張り替えは、単なる修理ではなく、家の中に新しい風を呼び込む儀式のようなものだと表現されました。自分で行うことで、家の隅々にまで目が届くようになり、住まいへの愛着が深まる。それこそが、DIYで網戸の張り替え方を学ぶ最大の価値なのかもしれません。